「初歩的なことだよ、ワトソン君」
という有名な台詞は、実は原作では出てこないそうです(!)
右側にいるのはジョン・ワトソンハム。
瞳の色は宝石のアズライト(藍銅鉱)のような、高貴で深みのあるブルー。
エレガントに整えられたおひげと頭の分け目はワトソンのチャームポイント。
そんな彼には丸襟が似合います。
小さなお手てをちょこんとあごに添えて、事件についてフムフムと考えこんでいます。
さてどんな難事件を解決してくれるのでしょうか。
チェックのツイードスーツに重ねたベスト、紅いネクタイピンは、厳粛なビクトリア時代でも彼がファッションに込めた遊び心を表しています。
折り曲げた脚に注目して、彼の脚の悪さを想起した方は名探偵!
アフガニスタンの戦争で肩を負傷して帰ってきた彼ですが、実はそれは脚だったという説もあれば、心因性の後遺症で脚を悪くしたという説もあるようです。
ポッケにかけた小さなお手てがさり気なく可愛いポイント。
と見せかけて実は、一見穏やかで常識的な彼の秘めた、無意識に危険を好む一面や女性好きを自称するキザな一面を反映しています。
左側にいるのはシャーロック・ホームズハム。
蝶ネクタイを合わせて上品な雰囲気に。
キリッとした目つきや表情に、冷静沈着な彼の性格を表現しています。
オールバックの髪型も健在。
そしてワトソンハムよりも身長が高い。
彼の瞳の色も黒ではなく、鉱物のマラカイト(孔雀石)のような青みを帯びたグリーン。
モノトーンのスーツ&ベストにくわえ、英国紳士たるものチェーンで繋いだ懐中時計も忘れずに。
先祖に大地主をもつ上流階級の血筋の彼の手には、ステッキ。
当時階級社会だったイギリスで、富裕層や中上流階級の紳士たちは自分の階級を示すためにあえて労働に不向きな大きなシルクハットや手袋、ステッキなどを身に着けていたそうです。
ストライプ柄のベストは高級素材シルクを思わせる光沢感があります。
でもやっぱりハムスターはもふもふしているのでちょっとだけボタンがキツそう。お尻も…。
凛々しい立ち姿ですが、事件の調査のためなら、帽子もステッキも脱ぎ捨てて地面に這いつくばることも厭いません!